妖怪たちと暮らしながら、作家になる夢を追いかけている澪。世間ではAI恋人アプリが大流行するも、仕事に追われる澪は恋愛と無縁だった。そんなある日、澪は英国育ちの天才数学者・AITOと恋に落ちるが、その恋がシェアハウスと妖怪たちを危険にさらし…。 「…

忘れることができない過去のトラウマから恋愛に臆病になっている葉月は、美しい上司・栞にひそかに惹かれている。一方、栞の夫で週刊誌の編集長・澤田稔は、堂々と社内不倫をしていた。雨が降る夜、葉月はラブホテルの軒先で雨宿りをしていた栞を見つけ…。 …

病院に勤める看護師・深山夏樹は夜勤の仕事を終え、帰宅途中にある騒ぎに遭遇する。女の子・林美玲が倒れており、夏樹が近づくと突然彼女は目を開け「本当に会えた」と中国語でつぶやき、夏樹の手を取ってその場から逃げだす。美玲にはある目的があり…。 「…

1966年、講演旅行をきっかけに出会った長内みはると白木篤郎は、それぞれに妻子やパートナーがありながら男女の仲となる。奔放で嘘つきな篤郎にのめり込むみはる、全てを承知する篤郎の妻・笙子。3人の間には共犯とも連帯ともいうべき関係性が生まれるが…。 …

幕末の京都。鎖国で長く孤立状態にあった日本を変えるため、若者たちは血を流し争っていた。会津藩を脱藩した無名の浪士・山川桜七郎は、ある事件をきっかけに近藤勇率いる新選組と、伊東甲子太郎を中心に結成された御陵衛士の抗争に巻き込まれていく。 「Ｃ…

アイドルの瑠璃は、親友の美絵が営む定食屋「川しげ」で、アイドルになることに反対していた母・明恵と遭遇する（「不器用さについて」）。「川しげ」の近所に住む沙耶は、よく店を訪れる山田への恋心を美絵に打ち明ける（「“好き”とは？」）ほか。 「夜明け…

大阪の西成に住む日雇い労働者・土師晤郎。「人殺しのゴロー」の異名を持つ彼は記憶喪失者だった。ある日、ハングレに襲われて大けがをしたゴローは元妻の片桐真理子と再会。娘が難病を患っていることを知り、心臓移植に必要な4億円を稼ぐことを決意する。 …

西成に根ざしたゴローは、日雇い労働と4億円を作るための闇仕事にいそしむ日々を過ごしていた。記憶が少しずつ回復するなか、その原因を作ったのはゴルゴダだと思いだす。闇金姉妹の松子と梅子は、縁ができたゴローに用心棒にならないかと声かける。 「西成…

東京で暮らすエイミのもとに妹・ユウが滋賀から上京するが、一緒に暮らし始めて早々、ユウが行方不明になってしまう。そんななか、エイミは同じく妹が姿を消したヒヨリと出会う。やがて、琵琶湖で若い女性の遺体が見つかるが、それはヒヨリの妹だった。 「偽…

ある港町。専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、ダラダラと生きる渡口淳。海運業を営む淳の両親は、後継者不足に悩んでいたが淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。 …

月島春は、パートナー・宗一朗の連れ子・蘭がカナダに留学し、言い知れぬ寂しさを抱えていた。そんな時、公園で記憶を失くした青年と出会う。過去に流産も経験している春は、その青年を神からの贈り物と信じ、今度こそ彼を自らのそばで育てたいと願い…。 「…

結婚5年目の小夜子は、夫との離婚を考えていた。 ある日、離婚後の住まいを探し始めた小夜子は、不動産会社の洋平と知りあう。 物件を見ていくうちに小夜子は洋平に心を開いていき、離婚を考えていることを明かす。2人の距離はどんどん縮まっていくが…。 「…

夜の街へとすべりだす、水色のフォード・サンダーバード。互いに素性を知らない一夜限り結成された強盗団が向かうのは、寂れたラブホテル。ヤクザ組織の資金洗浄現場を“たたく”のだ。仕事は大成功、大金を手にそれぞれの人生へと戻っていくはずだったが…。 …

織田同志会と上州最大の暴力団・赤城組との抗争が終結。だが会長の織田征仁はその戦いにより脳死に近い植物状態で眠り続け、副会長の小野田もいまだに消息不明のまま。彼らの帰還を信じる織田同志会の面々は、それぞれの織田との出会いを語り始める。 「織田…

グルメ雑誌の新人記者・美濃遥海は、豚ホルモンの発祥を調べることに。だが、突然雷が落ち、遥海はなぜか昭和30年代の高崎にタイムスリップしてしまう。困惑する彼女に、北海道から高崎へ流れてきたという井野光男と妻・咲子、娘・華が手を差し伸べる。 「泣…

さらは夫・康介の家で康介の両親と一緒に暮らしている。ある日、義理の母が「そろそろ子供は？作らないの？」と、いつものように遠慮がちに聞いてきた。しかし、パンデミックの間、さらと康介は今までより長く家にいたのに、すっかり夫婦の営みがなくなり…。…

中年の刑事・深間には、いったん激怒すると見境なく暴力を振るってしまうという悪癖があった。度重なる不祥事に加え、大立ち回りで死者まで出した責任を問われ、海外の治療施設へと送られることになる。数年後、深間は治療半ばにして日本に呼び戻され…。 「…

地下アイドルのミサはある時、SMラウンジ「H」のオーナーに素質を見込まれ、女王様としてスカウトされる。最初は困惑していたが、人気女王様・カノンとの出会いで未知の快感に目覚める。そしてアイドルとSMの両方でトップになると決意するが…。 「愛してる！…

文学賞を受賞した作家・吉住にオファーをしようと、彼の家を訪れた編集者・小島は、吉住の愛人・京香と再会。彼女は以前、料亭で吉住と小島の相手をした芸者だった。小説のモデルが京香だと知った小島は、小説を読みながら自慰行為をしてしまう。 「芸者～GE…

関西の小さな市で新種の巨大恐竜の化石が発見される。町おこしの予算を捻出するため、商社マン・澤田の提案で町を挙げての“つもり貯金”をすることに。一方、澤田の息子・鈴音は謎の巨大な卵を発見するが、そこから生まれたのは小さな恐竜の赤ちゃんだった。 …

結婚5年目を迎えるバツイチ同士の夫婦、さおりと慶介。ある日、さおりはイヌの散歩中に見たことのない穴を発見。風が起こり、音が吸い込まれるような不思議な体験をする。それ以来、彼女は夫が立てる些細な音に敏感になり、ひどい鬱屈を重ねていく。 「積む…

黒崎組の長谷川アキラは、兄貴分の陣内を殺したタツに報復を果たすが、タツの仲間に捕まり、半殺しにされてしまう。そんななか、傷害の容疑で逮捕状が出ていたアキラの家から拳銃が見つかる。事態を重く見た本間は、組長の黒崎にアキラの破門を相談する。 「…

蛇腹の学ランを愛する関東義士高校の応援団。喧嘩では、団長・大地雄吾の右に出るものはいなかった。そんな彼がある暴走族といざこざを起こす。実はその暴走族は、神奈川最強と恐れられる喧嘩軍団・神奈川民族高等学校の仲間だった。民高の復讐が始まり...。…

古都・鎌倉にある古いアパートに住む売れない小説家・真木栗勉。官能小説の依頼が舞い込むが、全く書けずに悩んでいた。ある日、部屋の壁に小さな穴を見つけ、穴の向こうの部屋に女性が越してくる。彼は憑かれたように、覗き見たことを小説に書き始めるが…。…

終戦直後の港町・横浜に復員してきた健三は、妹のミツコを捜していた。焼け跡を彷徨うばかりの健三だったが、手掛かりは戦地へ赴く前にミツコのために作った「悲しき口笛」という歌だけだった。その頃、ミツコは風太郎と一緒に浮浪の生活を送っていた。 「悲…

山に近い小さな町。女子高校生・まちは、女友達と短い物語を作り、それをリレーして遊ぶことを思いつく。次々と、紡がれる物語は、未来へと向かう夢。町に住む大人たちにも物語はあるが、それらは過去。ふたつの物語は夢や過去、現実や未来が溶けあい…。 「…

ある工業都市でバスの車掌をしている荒木つる代。服役中の夫と赤ん坊がいるがまだ若く、同じ長屋に住む左門は彼女に想いを寄せていた。ある日、つる代のバスに大きな箱を抱えた長屋の連中が乗り込む。箱の中にはフグに当たって死んだ住人が入っていて...。 …

喧嘩の腕には自信のある栄司。彼は地元ヤクザ・兵頭組の組員と争いを起こすが、それがきっかけで兵頭組組長に惚れ込み、ヤクザとして生きることを決意する。その後日本のフィクサーの1人である難波と出会った彼は、経済ヤクザとしての道を歩み始める。 「代…

テロを起こして日本を恐怖に陥らせ、強固な軍事国家へ変貌させようという壮大な計画。防衛大臣・鬼嶋、宗教団体アミターユ、巨大ヤクザ組織・竜神会が結託し、実行は秒読みに入っていた。民衆党議員・堂前と極道の郡司は、仲間と共に計画阻止に奔走するが...…

拝金主義が横行する現代の極道社会で、「ヤクザは喧嘩」と言い放つ男・凶忍。彼は組を堅気の組織にしようとする組長・中井の意向もお構いなし。そんななか、中井とつるむ本間組若頭・佐伯ともめ、破門を言い渡される。当然、忍は黙っていられず…。 「凶とい…